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クリニック経営

クリニックのブランディングについて 〜五感・ターゲッティング・出版〜

今回は「クリニックのブランディングについて 〜何によって覚えられたいか〜」の続きです。

企業やクリニックにとって、消費者にどうイメージングされるか決定する、ブランディングは非常に大事なことです。以前も述べましたが、企業が消費者から、クリニックが患者さんから覚えてもらうためには、五感に紐付いたブランディングが効果的です。そして、インバウンドを意識し、富裕層にターゲットを向けることも大切だと考えています。

最後に、本を出版することもとても有用な方法です。私も医業承継について本を出版しましたが、こちらもお伝えします。

目次

経営技術(五感により、ブランディングは形成される)

前回もお話しましたが、消費者は五感(視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚)からその企業やクリニックを連想します。まずは、何によって覚えられたいのか、ということを考えます。そして、それに五感を紐づけ、戦略的に対応していくことが重要です。

視覚

例えば、白い犬を見るとソフトバンクを思い出し、猫を見るとワイモバイルを思い浮かべる。このようなことはありませんか?それぞれの企業はCMを通して視覚的に訴え続けることで、消費者がそれを見ると企業を連想し、思い出すようにしているのです。

クリニックにおいても、この方法は効果的です。患者さんからどのように覚えられたいか、そのイメージと診療科の雰囲気にあったクリニックを作ることが大切です。暖かいイメージ、カラフルなイメージ、清潔感溢れるイメージ、それぞれに合わせた配色を内装などに取り入れましょう。そうすることで、患者さんは似たような配色を見るとクリニックを思い出し、抱いて欲しいイメージを持ってくれるようになります。

聴覚

ある小児科では、セサミストリートの音楽を常に流していました。そうすることで、セサミストリートの曲を聴くとその小児科を思い出し、クリニックに対してもセサミストリートのようなあたたかいイメージを思い描いてくれるでしょう。

例えば、ドラゴンクエストのテーマ曲を聴くと、ゲームをやりたくなったり、冒険へ旅立つワクワクする気分になったりしませんか?そのように、患者さんに癒しや安心感を与えたければ、クラシック音楽やヒーリングミュージックを流す。美容クリニックであれば、美と関連させて美しい音楽を流すなど、そのクリニックに合わせた音楽を待合室で流すことも、ブランデイングになります。

味覚

味覚に関してはどうでしょうか?例えば、歯医者ではうがい薬や歯磨きペースト、麻酔などに甘味の強いものを使用することで、恐怖心を取ろうとしているそうです。歯の治療では、機械の音(聴覚)に怖さを感じることも多いため、味覚でのアプローチがブランディングとなっています。

私伊勢呂の場合ですと、今春にオープンした東京泌尿器科クリニック上野院の入り口に、数種類の飲みものを楽しめる機械を設置しています。一般クリニックでは、飴や飲み物で味覚に訴えるブランデイングを実現できるでしょう。

触覚

患者さんがクリニックで触れる代表的なものは、待合室のソファーではないでしょうか。高級感のあるゴージャスなもの、子供向けのもの、温もりを感じる柔らかいもの、一般的なもの、クリニックがどのような層をターゲットにしているかで、何を選ぶのかが変わってきます。そして、文房具や化粧室の備品など触れるもの全てに、クリニックのイメージングやターゲット層を意識して、素材選びをする必要があります。

嗅覚

夢の国と言われるディズニーランドの園内には、甘いポップコーンやチュロスの香り、美味しそうなスモークチキンの香りなど夢の国のイメージにぴったりな香りが充満しています。ディズニーランドから、酸っぱい香りを連想する人はまずいないでしょう。

また、5つ星ホテル・リッツカールトンでは、お客様を五感から幸せにするというコンセプトのもと、印象的なグリーンシトラスの香りをホテルのフレグランスとして用いています。同じように、クラシックホテルとして有名な箱根の富士屋ホテルでも、10種類のアロマを調合したオリジナルの香りで客室を演出しています。特に、五感の中でも嗅覚は脳に直接働きかけるため、人の記憶やイメージングにダイレクトに作用します。

クリニックにおいても、消毒液など病院特有の匂いしかしないクリニックより、イメージや雰囲気に合わせた香りを用いることで、どこかで同じ香りがした時に思い出してもらえます。

以上のように、ブランドイメージをまず構想して、そこからそれぞれの五感で何ができるのかを考え、ブランドイメージを作りあげて行きましょう。新しいクリニックを作る時は考えやすいのですが、今あるところから変えていくとすれば、嗅覚や味覚から変えていくと良いでしょう。全て実践するのが難しい場合も、是非できるところから始めてみてください。

富裕層にターゲットを向けることも大事

今現在、保険診療では国が定めた金額を請求することしかできません。今後はコロナの影響もあり、財政がますます厳しくなっていくと思われます。そうなってくるとクリニックの経営も保険診療だけに頼ることは非常に厳しくなり、自由診療にも頼らざるを得なくなってきます。自由診療は富裕層、ある程度お金を持っている人たちが選択するものと考えると、富裕層をターゲットにマーケティング、ブランディングしていくことも必要でしょう。

あなたなら燃費が良いクルマと聞いてどんなクルマを想像するか

燃費が良くて自然環境にも良い車というと、まずプリウスを思い浮かべる人が多いと思います。同じように、高級車ならベンツ、モテる車と言えばスポーツカー・ポルシェ、ファミリーカーならアルファード、車にもそれぞれイメージがあり、実際に所有する人やターゲット層も違ってきます。

富裕層の方で、軽自動車を1台だけ保有しているという人は少ないでしょう。このことからも、富裕層がどういうところに行くのか、目を向けているのか、ということを考えてみましょう。

格差社会でのクルマの買い方

トヨタのレクサスといえば、今や世界に誇る高級日本車と言えます。しかしながら、それまでのトヨタは一般大衆向けの車を作る企業というイメージがありました。そのイメージを払拭させるため、富裕層が選ぶ高級車を作ろうと、徹底したブランディング戦略から誕生したのがレクサスでした。

先ほど申し上げた通り、ブランディングとは何によって覚えられたいかということであって、ブランドの価値を上げたければ顧客をぐっと絞って考えます。逆に、価値を下げたければ、顧客層を広げて誰にでも売ると考えるのが基本的なブランディングです。例えば、中国人の富裕層に向けた商品を売る方法や戦略というものもあります。中国人は安いものは好まず、メイドインジャパンに徹底してこだわる購買傾向にあります。そのように、それぞれの富裕層が何を求めどこにいるのかを意識して、ブランディングして行きましょう。

本を出版する

最後に、本の出版に関してのお話です。クリニックの医師が本を書くということはあまりありませんが、そこには大きなメリットがあります。なぜかと言うと、本が名刺代わりになるからです。本を1冊書くことで信頼感も上がり、クリニックの集患や採用にも繋がります。

本を書くと言うことは、一見すると大変そうにも思えるのですが、その労力に比べても信頼度の上がり方やメリットが大きいです。私も実際に本を出版して、随分と変わりました。次に、本の出版方法には、自費出版と商業出版とがあります。私がおすすめしているのは、自費出版です。

自費出版

読んで字のごとく、自費出版というのは自分で本を出版することです。自分でお金を出して、出版社に本を書いてもらいます。ライターさんにお願いする場合もあります。かかる費用はだいたい200万円から500万円です。ライターさんが構成なども考えてくれるので、それほど苦労はしません。書き上げるのも、だいたい6〜7回、毎回1時間くらい、半年ほどの期間で完成します。

自費出版の良いところは、自分の書きたい専門的でニッチな内容を、自由に書くことができるところです。大衆受けを追い求める必要がありません。すぐにブランディングにつながる自費出版を、私はおすすめしています。

商業出版

商業出版とは、自分でお金を出すことなく講談社、集英社、カドカワなどの出版社が本を出版することです。

例えば、私が書いたような「独立を考えたらまっさきに読む医業の承継開業」のような専門的な内容で、本当にごく一部にしかニーズがないようなものは書けません。多くの人が手に取ってくれて、多くの収益が見込める本を書くことになります。自費出版のように、自分の書きたい内容を書くことは難しく、題名なども出版社が決定します。そして、出版に1年ほどを要します。

商業出版する場合は、企画書を書いて出版社に通してもらうことから始まりますが、手間と労力がかかりますし、自分のブランディングを形成するには時間がかかります。時間をかけてでも、じっくりとブランディングを形成したい人には良いのですが、すぐにでも形にしたい人にはおすすめしません。ですが商業出版は、お金はかからず売れた印税が入ってくるので、自費出版もして商業出版も、ということは良いかもしれません。

2021年5月現在、私は2冊目の本を執筆しているのですが、これも自費出版の予定です。開業医には、やはりスピード感を持って出版できる自費出版がおすすめです。もし、本の出版についてご興味があれば、詳しくはお問い合わせください。

以上、2回にわたってブランディングについて述べました。ブランディングを形成することで、様々な良い効果が現れるので、是非できるところから実践してみてください。さらには、私がお役に立てることがあるかもしれません。

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